指しゃぶりするのは、どうしてなの?離乳食を食べる時だけでもやめさせたい。何か対策したほうがいいのかな?
そんなことを思いながらこの記事を読み始めてくださったのではないでしょうか
このような疑問を持っている方のために、小児リハビリの現役作業療法士が、意識するポイントや対策方法をお伝えします
- 指しゃぶりをする理由がわかる
- 食べないのは指しゃぶりのせいじゃない!?4つの意識するポイント
- リハビリ場面で効果のあった離乳食を食べない時のオススメ対策
- 離乳食(ベビーフード)のおすすめレトルトを3つ紹介。栄養たっぷりで美味しい
指しゃぶりで離乳食が進まない理由(5ヶ月〜1歳)は?
5カ月~1歳の赤ちゃんは、なぜ指しゃぶりをするのでしょうか
①安心感
1つ目の指しゃぶりをしている理由として『安心感』があげられます
指しゃぶりは赤ちゃんにとって安心できる行動です。
見たことのない食べ物とお母さんの真剣な雰囲気に、緊張しているのかもしれませんね。
赤ちゃんは、不安や緊張を和らげるために、指しゃぶりをすることがよくありますよ!
②遊んでいる
2つ目の指しゃぶりをしている理由として『遊んでいる』があげられます。
5か月~1歳ごろの赤ちゃんは食べるという意味をまだよく知りません。
指が口の中に触れる感覚や、自分の指への意識が出てくるころなので、指しゃぶりを遊びとして楽しんでいる場合がありますよ!
③反射
3つ目の指しゃぶりをしている理由として『吸てつ反射』があげられます。
赤ちゃんは原子反射という、生まれながらにして備わっている反射機能があります。
指しゃぶりの場合は、母乳やミルクを上手に飲む練習をするために5~7カ月ごろまで見られる『吸てつ反射』という反射が関係しています。
吸てつ反射は、自分の意思とは関係なく、口に指をあてると、チュッチュとおっぱいを飲むときの口のような動きが出る反射です!
この反射が出ることは自然なこと。離乳食中に反射が出ている場合がありますよ
④発達がゆっくり
4つ目の指しゃぶりをしている理由としては『発達がゆっくり』であることがあげられます。
ほとんどの赤ちゃんが通る道である『指しゃぶり』は、0~4カ月の赤ちゃんが身体のイメージを育てる行動であったり、触覚刺激を求める行動でもあります。
徐々に手の使い方や目の使い方が成長してくると、身体のイメージが育ち、近くにあるものに手を伸ばす行動がみられるようになります。
また、自身の身体ではなく、持った物を口に入れて触覚刺激を楽しむ行動もみられるようになります。
指しゃぶりをしているのは、もしかしたらまだ身体のイメージが未熟であったり、自身の身体で触覚刺激を楽しみたい時期なのかもしれません
このように指しゃぶりは、赤ちゃんの発達には欠かせない動作です。
指しゃぶりをしている理由がいくつかわかると、焦らず見守ることができますね
ですが、実は離乳食を食べないのは指しゃぶりだけのせいとは限らなのです
④で説明した『発達がゆっくり』と少し重複しますが、指しゃぶりで離乳食を食べなくて焦る前に、
まずは手や目などの発達が、離乳食を食べる段階まで育っているかもチェックしてみましょう
次に意識すべきポイントについてお話しますね
指しゃぶりで離乳食を食べない!?その他に意識する4つのポイント
- 手が育っているか
- 見る力が育っているか
- 身体の真ん中で手を動かす力が育っているか
- 座位が安定しているか
この4つのポイントが指しゃぶりで離乳食を食べないことへ影響している可能性があります。
4つのポイントを詳しくお話しします!
①手が育っているか
手が育っているかについては以下のポイントを確認してみましょう
- 物をにぎることができる
- にぎったものを振ることができる
- にぎった物を顔の前まで持ち上げることができる
この手の動作ができることで、指しゃぶりのように自分の身体の一部を口にいれるのではなく、物を口にいれて口の中の感覚で物を確かめる行動が増えてきます。
そうすることで、離乳食のかたさ・やわらかさ・形・味など様々な情報を、口の中で確認する力の準備が整うのです。
手が育っていない=離乳食を食べるための口の準備が整っていないと考えましょう
②見る力が育っているか
見る力については以下のポイントを確認してみましょう
- 近くの止まっているものや動いているものに手を伸ばすことができる
- 手に持っているものを見ることができる
近くの止まっているもの・動いているものに手を伸ばすことができる=両目で物を立体的にとらえる力が育った
手に持っているものを見ることができる=片目で物を立体的にとらえる力が育った
ということになります。
この2つの見る力が育つことは、身体のイメージや身体動作の育ちに大きく影響するので、離乳食を食べる際の口の中のイメージが育つことにもつながるのです。
なので、①で説明した物を口にいれて口の中の感覚で物を確かめる行動にもつながります。
③身体の真ん中で手を動かす力が育っているか
身体の真ん中で手を動かす力については以下のポイントを確認してみましょう
- 自分の身体の正面で両手を合わせられる
- 手に持ったおもちゃを自分の正面で持ち続けることができる
この運動ができることで、自分の手の存在に気がついて、ものに手を伸ばして触ろうとするなどの行動が増えるので、手の力が育つことや見る力が育つことへ繋がります。
そのため①や②のように離乳食を食べる際の口のイメージが育つことにつながります。
④座位が安定しているか
座位が安定しているかは以下のポイントを確認してみましょう
- 両手を床につけて座位を保ちながら、周囲を見渡すことができる
- 介助した座位や椅子に座らせた状態で、物に向かって手を伸ばすことができる
離乳食を食べ始める生後6か月ごろから徐々に座位が安定してきます。
座位が安定することで、周囲を見渡す、物に向かって手を伸ばすなど、見る力・手の力が育つので、
①や②のように離乳食を食べる際の口のイメージが育つことにつながります。
このことから、指しゃぶり以外の発達の面からも、離乳食を食べないことに影響していることがわかりますね。
でも、指しゃぶりの理由などがわかったからといって、離乳食を食べないのは心配だと思います。
実際に、指しゃぶりで離乳食が進まない時はどうしたらいいのかを、リハビリ場面で効果のあった食べさせ方から3つお話ししますね。
指しゃぶりで離乳食を食べない時の3つのオススメ対策
実際に私のリハビリの場面で効果があったオススメの対策を3つ紹介していきます。参考にしてみてください
①手にスプーンやおもちゃを握らせる
1つ目は、『手にスプーンやおもちゃを握らせる』です
『手にスプーンやおもちゃを握らせる』ことで、手に持ったものを見るので、指しゃぶりよりも手に持っているものへ興味が向くようになります。
スプーンを握らせる方法は、離乳食中に取り入れやすいと思うので是非やってみてください♪
②離乳食を色鮮やかにする・食べるものを見せる・誰かが食べているところを見せる
2つ目は『離乳食を色鮮やかにする・食べるものを見せる・誰かが食べているところを見せる』です
離乳食を食べ始めるころはちょうど、見る力が育つ時期と同時期です。
そのため、離乳食を色鮮やかにしたり、食べ物をしっかり見せる、誰かが食べているところを見せることで、見て物をとらえる力を同時に育てることができ、
興味が指から外へ向くので、指しゃぶりから卒業できる可能性がUPします。
「色鮮やかにするってどうしたらいいの?」と思われるかもしれませんが、簡単なもので大丈夫です
例えば、かぼちゃ、ニンジンなど暖色系の食べ物を追加してみたり、入れ物を可愛くしてみたり、何でも良いです♪
赤ちゃんが目を引く、興味がそそられる工夫をすることで見る力が育ちます。
『食べるものを見せる』は、なかなかできていない方が多いんです。
リハビリ場面で多いのは、食べるものをあかちゃんの視界に入らないところに置いたまま食事介助を初めてしまうことです。
あかちゃんが触ってしまうといけないから、食べ物を目の前に置きたくない気持ちもわかりますが、それだとせっかくの見る力が育つチャンスなのに、もったいない!
今から口に入るものがどんな形か、何色か?まだ理解はできないものの、なんとなく見ることが大事なので是非やってみてください。
そして最も大事なのが『誰かが食べているところを見せる』
『スプーンを使っているところ、口の動かし方、おいしい!と笑顔で食べている姿』
これらを見ながら、食事の楽しさ、食べ方を無意識的に覚えていきます。
親や兄弟が食べているところを見るのが最も良いですが、子ども用の動画で食べているシーンをみせるのも効果的です
ですが、あかちゃんはまだしっかり見ることは難しいので、あかちゃんが座っている前で食べたり、あかちゃんが遊んでいるときに動画を流しておく程度で大丈夫です
見る力が育つことで、見て物をとらえて、食べ物を口の中で確かめて触感を楽しむ行動につながります。
そうなると指しゃぶりどころではなくなりますね!
③指しゃぶりを見守る
3つ目は、「結局見守るんかい!」といった感じですが・・・
指しゃぶりは成長とともに自然に減っていくので、あまり心配しすぎずに見守ることも大切です。
赤ちゃんのペースに合わせて、焦らずにいろいろ試してみてくださいね
どの方法が赤ちゃんに合うか、少しずつ見つけていきましょう。
といっても、仕事や家事で余裕がなくて、あかちゃんと向き合う時間がとれない方も多いと思います。
指しゃぶりの理由や対策方法がわかっても、実行するまでが大変だったりしますよね
そこで、リハビリに来られたお母さんたちが教えてくれたレトルトの離乳食の紹介です
生活に少しでもゆとりがあれば、あかちゃんと向き合う時間がとれそうですよね
離乳食のレトルトで赤ちゃんとの生活にゆとりを
リハビリに来られたお母さんたちが教えてくれた中で食べやすくて美味しいと思ったレトルトの離乳食を紹介します。
私も試食させてもらって、今はこんな栄養や食べやすさを考えられた美味しいレトルトがあるんだ!と本当に驚きました。楽天で買えますよ。
3つ紹介しますね!
まず1つ目はこちらです↑
株式会社はたけのみかたの『manma 四季のベビーフード』です。
- 7か月まで調味料・食塩フリーで9か月からも微量の食塩のみで作られている
- 5~6か月の初期形態がすごく滑らか。口当たり良くて、食べやすい。白がゆも癖がなく、美味しい!
- パウチは自立するからお皿がいらない
- 栄養面は、医師や栄養士が監修していて、厚労省の「授乳・離乳の支援ガイド」基準の栄養設計でバッチリ
- 1袋が小さめサイズ(60g)で持ち運びしやすい。
- 温め不要で食べられる
月齢やセットなどこちらから選べます↓
2つ目はこちら↑
『the kindest』の離乳食です。
- 一流シェフが開発しているから、とにかく美味しい!野菜や肉、魚の味がしっかりしているのに食べやすい
- 使う食材はシェフが選んだ鮮度の良い、良質なものを使っている。
- いろどりが豊かで、パッケージのキャラクターもかわいい。見ていて楽しい。
- 温めなしで食べられる
- 小児科医と管理栄養士も開発しているから、最適な栄養バランスになっているし、無添加。
- 食材だけでおぎなえない栄養は添加されている(鉄やビタミンD、カルシウムなど)
最後3つ目はこちら↑
Ofukuroの『Ofukuro有機まるごとベビーフード』です。
- 有機JAS認定を受けた農場で育った野菜をふんだんに使っている。徹底的な無農薬・天然素材
- 徹底的な無添加
- 有機JAS認定工場での調理
- 調味料もすべて有機大豆や有機野菜を用いたものを使っている
- 味付けは薄目で優しい味。ほっとする味でおいしい。
- ビンをあけたらそのまま食べられる。温めなしでOK
ここからは私の感想ですが、
共働きの世帯が多いこの世の中。忙しいママやパパ、保育園に早くから通う子どもたちが増えています。
「保育園に持っていく離乳食、なにつくろう」「冷凍作り置きを持っていくのはいいのかな?」などと考える時間が、少しストレスだったりもします・・・
もちろん自宅でも、育休中も在宅ワークや週1程パートしながらなんてこともよくある話です。
赤ちゃんと遊ぶ時間が削られるもどかしさを感じたり、離乳食を作る時間を少しでも他のことに回したいと思う方も多いと思います。
現代は今回紹介したような無添加のものも多いので、レトルトに頼って、生活にゆとりをもつのも1つの手だなと思いました。
育児にレシピなんてないさ。あかちゃんを観察するのが離乳食成功の近道
最後まで読んでいただきありがとうございます。
最後に指しゃぶりで離乳食が進まない時の対策を簡単にまとめると
でしたね。
この記事で、赤ちゃんの『指しゃぶりで離乳食が進まない』ことについてのモヤモヤが少しでも晴れてくださっていたら、うれしいです。
指しゃぶりで離乳食が進まないことについてまとめてきましたが、総じて大事なのはあかちゃんのペースを見守ることです。
離乳食への切り替え時期は赤ちゃんにとって大きな変化であり、慣れるまで練習しなければなりません。
世間一般の離乳食の時期や量などについての情報は必ずしも、自分の子どもにあてはまるとは限らないので、
あかちゃんの成長を見守りながら、家族で楽しく食事をすることを忘れないでくださいね♪
コメント